いつかムラムラする日。

リーマンさんのやつね。

 僕はこの作品に6点をつけた。
 この作品について、いの一番に思ったのは映像っぽいな、ということだった。視点や時間軸が入り乱れるところなんて、芝居かフィルムを見ているようで特にそう思った。
 文章の癖というものなのか、リーマンさんの作品は総じて映像化しやすい。語り手の焦点がブレないのと、会話(台詞)に気が配られ過ぎだからだと思う。映像化できるメリットは僕にとってかなり大きなものなのだけれど、今作はあまりにも映像化に適しすぎていた。
 リーマンさんは非映像派だったと思うので、これは僕の勝手ないいがかりなんだけど、映像化する際に付随する様々な情報を前提に作り上げているような気がして、ちょっとずるいと思うのだった。嫉妬なのであった。

 物語自体は、序盤と終盤の繋がりがいまいちよくわからなくて、それぞれが単体で稼動しているように思える。作中では半年近い時間が経っているのだけれど、その時間以上の隔たりを感じた。容量の割にあっけなかったというか、喰い足りないというか、構造とかパーツ毎の完成度だと『死んでからやってみたい10のこと』の方がかなり高いと思う。
 佐祐理パートをもっと前に持ってきて、作品全体でごちゃまぜにしても上手く纏めることはできたんじゃないのかなあ。リーマンさんなんだし。
 ということで減点したのだった。
 
 今まで書いた分を読み返すとなんて嫉妬ばかりでなんと醜い男なのだろう、と思わないでもないけど、そんな自分も好きなのであった。
 もう少しでコードギアスが始まるので、他の作品については後で語ろうと思う。唯一10点つけた最中さんのやつとか。
 タイヤキドリームも語りたいけど、これは正味30kbほど書かなきゃ満足できそうにないので、また後日。

 最期に。ツッコミどころをいくつか。
 まず、北川から渡された袋は紙なのかビニルなのか。
 あと、『至宝』とか『玉手箱』とか『名峰』のタイトルだけでなんで洋ピンばっかりだと祐一がわかったのか。
 誰も突っ込んでないので細かな、どうでもいい点なのかもしれないですけど、僕としてはこの点のみでも時間軸に狂いが生じるので、話の筋が理解できずに悶々としてしまうのです。