ロウきゅーぶ

高校に上がったばかりの、スーパープレイヤー主人公が部活が休止したせいでバスケできなくなったとこからが物語の始まり。
家でクサクサしてたら、小学校で教師をしている親戚から女子5人にバスケ教えるように言われて、小学生5人と出会うという話。他に説明の仕様が…。

で、これ、聞くところによるとロリの入門書的な位置づけの作品らしいのですが、なんかすっごい浅い。小学生がメイド服着て「お兄ちゃん」やら「ご主人様」やら言うだけで可愛さアピール出来るとは思えんわけで。
僕なんかは、入門書だからこそある程度の深さというか密度というか、そういうのが必要なんじゃないかと思う。その点、同時期に読んだ円環少女なんかはよく出来てるなぁ、と思った。
それは物語だけに留まらず、登場人物にも言えることで、ぶっちゃけ読み終わっても誰一人として名前とキャラが一致しない。キャラが幼すぎるというわけではなく、ホントに薄っぺらい。びっくりする。

もうひとつの柱バスケの方にしても、作者が聞きかじった程度の知識で書いたとしか思えないレベルで、読んでてオイオイ、と呆れること多し。
例えば、序盤に主人公がFT10連発というのをなんでもないことのようにかるーく成功させちゃうんですが、NBAのFT率ですら75%前後なわけで。
 そのレベルで考えても5%の成功率なわけですよ。
 物語の最後なんて50連の話とか出てきますからね。
 FT率98%という化け物カルデロンですら36%ですよ。
 BJリーグだと90%前後だったハズなんで、それだと0.5%なわけですよ。
 いや、別にリアル以外認めないならバスケ見とけって思う方もいると思うんですが、そういう世界観のバスケなんだな、て納得できるならよかったんですが、作中の言葉を拾っていくと現実のバスケに則すように持っている節が度々見られるわけなんですよね。そういう中途半端さがどうしても受け入れられないわけです。現実のバスケを読者と作者の共通意識としようとしてるのに、トンデモ話が出てくるから読んでてオイオイ、ってなっちゃう。
同じ意味で、教師やってる女がすげぇキツイ。僕こういうクソ女まじ嫌いなわけで。久しぶりですよ。本読んでて「死ねよクソが」とか呟いたの。いや、これは好みなんですが、こんなちっこい女に身長170cm超えてる男が手も足も出ないわけねぇだろ、って誰もが思うと思うんですが。
そういう世界観ならなんとも思わないんですけど、作中で小学生の間は女子の方が成長早くて体格的に有利だのどうの言われると、お前はどういう世界で生きてんだよ!っておもわずにはいられないわけで。
 主人公が本気じゃないだけでしょ、という意見も当然あると思うんですけど、ぶっちゃけ、バスケに一途に生きてきた主人公がいきなりバスケ取り上げられて、これからの過ごし方も見出せず胸にドロドロとしたもん溜め込んで悶々としてるところに絡まれたら、普通キレるか無視するかすると思うんですよね。少なくとも、普段どおり構うことなんて出来ない。まだ15だぜ?
 そういうの考えると、お前ホントにバスケ好きなの?と思う。読んでてすっごい軽い。そんな主人公が小学生のシュートフォームに魅せられて〜とか言われても説得力ない。


 同じ様に、試合の描写もイマイチ。
 基本的に、バスケって刹那の競技なんですよ。
読みがあることは否定しないですけど、ほとんどのプレーが反射で成り立ってるバスケで、バスケの知識も体験もなく、試合を、内面ではなく試合を、第三者の目から描写しようとするのは、正直
チャンレンジブルというよりも無謀というほかなかった、と思います。



 同時期に読んだ本が比較的面白かったので、評価辛めかもしれませんね。